千代田区神田駿河台にある神社。境内にある由緒書によれば承和六年(839年)はじめに小野篁が伯耆国(鳥取県)名和の港を出港して間もなく暴風雨に襲われた。篁が船の舳先に座り普門品(観音経)を唱えると太田姫命という白髪の老翁が現れ、自分を祀れば疱瘡の災いから免れるというお告げがあったとされる。
そのお告げを護り自ら翁の像を刻み、後に山城国(京都府)の南にある一口(いもあらい)の里に神社を祀った。その後、江戸の開祖で知られる太田道潅の娘が重い疱瘡にかかり、一口稲荷神社の噂を聞き平癒を祈願したところ全快したという。
そこで山城国より一口稲荷を勧請し城内本丸に一社建立したところ、この城の鬼門に守るべしとの神託があり、元禄元年(1457年)その通り鬼門に移して太田姫稲荷大明神と奉唱するようになった。
境内はJR御茶ノ水駅の聖橋方面出口から御茶の水仲通りの坂を下りていくと右手に鳥居が見えるのでわかりやすい。鳥居をくぐると左手に手水舎がありやや右手前方に拝殿がある。かつては聖橋南詰の東側にあったが御茶ノ水駅の総武線拡張により昭和6年に現在地に遷座した。
狛犬が一体だけ鳥居の下に確認できた。御朱印は拝殿の左手前に置かれている社号印を自分で押して、初穂料は賽銭箱に納める方式。スタンプ台も用意されているため、その場で拝受できる。
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