2022/03/30

築土神社

 千代田区九段北にある神社で“つくどじんじゃ”と読む。公式ページによれば天慶三年(940年)藤原秀郷らの手で討たれ京都にさらされた平将門公の首を首桶に納め密かに持ち去り、これを武蔵国豊島郡上平河村津久戸の観音堂に祀って津久戸明神と称したのが始まりとある。


1552年(天文21年)には、上平河村内の田安郷(現在の九段坂上からモチノキ坂付近)に遷座し、その地名を冠して田安明神とも称された。1589年(天正17年)江戸城拡張のため下田安牛込見附米倉屋敷跡へ、1616年(元和2年)に新宿区筑土八幡町へと移転し、築土神と改称した。

何度も改称や遷座が繰り返され、複雑になっているため東京神社庁のページでは詳細が記されていない。1994年5月、社殿・社務所の大改築が行われ地上8階建てのビル内にある現代的な社殿となった。ビル名のアイレックス(モチの木の意味)はかつて築土神社が九段坂からモチの木坂に鎮座していたためとされる。

九段下駅を出て飯田橋方面に向かう途中の道を左に入り坂を上ったところに鳥居が見えるのでわかる。手水舎や狛犬の先に社殿が見える。またその右手には世継稲荷があり、さらに右奥にあるのが社務所。御朱印はインターホン呼び出し形式で書き置きのものを拝受できる。

世継稲荷の左奥に区指定文化財となっている力石があることを見落としており、帰宅後に知った。次回お参りの際に確認したい。ビル内にあるため少し窮屈な印象があるが、社殿前の狛犬も内に現存する狛犬の中では最も古いもので区指定文化財。じっくり観察すると歴史があることが伝わってくる。



2022/03/25

東村山八坂神社

 東村山市栄町にある神社で旧社名は武蔵野牛頭天王。ご祭神は素盞嗚命だが、公式ページによれば創建年月は寛文二年の火災をはじめ、数回の火災により不明とのこと。昔は天王宮、祇園社、野口村の牛頭天王、八雲神社などさまざまな呼び名があったらしい。

明治二年に天王宮から八坂神社へと社号を改め、同年村社に列せられた。現在の社殿は平成になったから新築されたものだが、旧社殿も改築して今も残されている。境内末社は三嶋神社、三峯神社、御嶽神社、蚕影神社が参道の左手に並んでいる。

最寄り駅は西武多摩湖線「八坂駅」で、府中街道を北に歩いて5~6分の場所にある。鳥居をくぐって進むと一対の狛犬が出迎え、左手に手水舎がある。正面が社殿なのでそのまま真っすぐ進む。途中の右手に移築された旧社殿が確認できる。

社務所・授与所は大きな建物があるが、大きな行事がある時だけ開いているようだ。お守りや御朱印をいただく場合は、授与所の向かい側にある事務所のインターホンを押してお願いする。書き置きで日付を記入したものが授与され初穂料は300円。

なお、東村山市内にある諏訪神社、猿田彦神社、萩山八幡神社、清水神社は兼務社となっており神職は不在なので注意が必要。由緒は詳細はわかっていないが、別当寺の正福寺が弘安元年(1287年)で、同時期だとするとかなり古くから守護神として崇敬を集めていたと考えられる。